法人(会社・事業者)破産のメリット

会社を経営していると、景気の変動や感染症の流行などさまざまな要因によって業績が変動するものです。ときには経営を維持できず破産を検討するケースもあるでしょう。

金沢にも多くの中小企業が存在していますが、弁護士として廃業・破産に悩む経営者の方からご相談を受ける機会が少なくありません。

今回は法人(会社・事業者)破産のメリットについて、金沢で企業法務や事業再生に積極的に取り組んでいる弁護士が解説します。

 

1.取り立てから解放される

法人(会社・事業者)の経営状況が悪化してくると、債権者は「倒産される前に回収しよう」と考えて急ぎ取り立てようとする傾向があります。特に支払いを遅延すると、債権者が激しく取り立てを行うケースが多数です。

 

事務所に直接訪ねてこられて取り立てを受けたり、倉庫に保管している商品を勝手に持って行かれたりする事例もみられます。このような厳しく乱暴な取り立てを受けると、経営者としては冷静に物事を考えられなくなり次の一歩を進める準備も困難となるでしょう。

 

弁護士に破産を依頼すると、弁護士がすぐに各債権者へと受任通知を送付してすべての取り立て行為を禁止します。また連絡事項がある場合には弁護士を通じて行うよう申し入れるので、たいていの債権者は経営者に直接連絡をしてこなくなります。

 

万一経営者にしつこく連絡をしてくる債権者がいれば、弁護士が厳しく警告して牽制するため、だんだんと退いていくケースが多数です。

 

破産手続きの開始によって厳しい取り立てから解放されると、事業不振に悩む経営者にとって大きなメリットとなります。

 

2.苦しい経営から解放される

経営者は会社に対して責任を負う立場です。しっかり経営を行い高い業績を出して従業員に給料を渡し、株主などに還元していかねばなりません。

ところが経営状況が悪化してくると、そういったことがままならなくなります。苦しい会社経営のことで頭がいっぱいになり、夜も眠れなくなる経営者の方が少なくありません。

 

会社を破産させれば業績不振の問題や負債の返済ができるかどうかなどを心配する必要はなくなります。苦しい経営から解放されるのは大きなメリットと言えるでしょう。

 

3.すべての負債がなくなる

会社が破産すると、すべての負債がなくなります。例を挙げると以下のようなものです。

  • 借入金
  • 未払い家賃、地代
  • リース債権
  • 買掛金
  • 従業員の給料、退職金
  • 水道光熱費
  • 滞納税
  • 滞納健康保険料

 

個人破産の場合には税金や健康保険料などの支払いが残ってしまいますが、法人(会社・事業者)の場合には法人(会社・事業者)自身が消滅するためこういったものも含めてすべての支払い義務がなくなります。

法人(会社・事業者)の破産後に元代表者が個人的に法人(会社・事業者)の滞納税を払う必要もありません。

 

すべての負債がなくなるのは法人(会社・事業者)破産の大きなメリットです。

 

4.経営者が新たな人生を歩める

会社経営に失敗したとき、いつまでもうまくいかない事業にかかわっていては人生の貴重な時間が無駄になります。それよりは新しい事業を始めたり資格を取得したり他人が経営する会社に就職したりして、別の人生を歩み始める方が建設的といえるでしょう。

 

会社を破産させない限り、いつまでも法人(会社・事業者)経営から逃れられず、新しい一歩を踏み出すことはできません。破産させると会社も負債も消滅するので経営者は自由の身となり、新たな人生を選択できます。

法人(会社・事業者)が破産しても代表者は資格制限を受けず自由に就職できますし、破産者でも会社役員になれるので新たな会社を設立して自ら経営者や役員となることも可能です。

 

5.きちんと手続きをすれば成功の可能性が高い

会社が業績不振となったときの倒産手続きにはいくつか種類がありますが、中でも破産は成功する可能性の高い方法です。

たとえば私的整理(任意整理)の場合、各債権者と個別に交渉を行って和解していかねばなりません。債権者が納得しなければ失敗に終わります。

民事再生の場合にも、負債が大きくなりすぎていると困難となり破産へ移行されるケースも少なくありません。また再生計画を立てても多数の債権者が反対すると結局は失敗してしまいます。

 

破産の場合、時間はかかっても最終的には法人(会社・事業者)と負債がともに全部消滅して期待通りに解決できる可能性が高くなっています。予測可能性、成功する可能性が高いことは破産を選択するメリットとなります。

 

6.破産を弁護士に依頼する必要性について

法人(会社・事業者)破産のさまざまなメリットを最大限に活かして安全に手続きを完了するには、専門の弁護士による関与が必須です。法人(会社・事業者)破産は非常に重厚で複雑な手続きなので、経営者が一人で進めるのはほとんど不可能です。

また破産の大きなメリットの1つとして「手続きを開始すると債権者からの取り立てが止まる」というものがありますが、弁護士に依頼しなければ取り立ては止まりません。

厳しい取り立てや苦しい経営の悩みから解放されるには、一刻も早く弁護士に破産を依頼する必要があります。

 

どうしても破産したくない場合には民事再生などの別の手続きを検討できる可能性もあります。いずれにせよ早めの対応が肝心ですので、金沢で経営不振に悩まれている経営者の方がおられましたら是非とも一度、あさひ法律事務所までご相談下さい。

 

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