法人(会社・事業者)破産の流れについて

株式会社などの法人(会社・事業者)を破産させるとき、どういった流れになるのか説明します。

 

STEP1 弁護士に相談

まずは破産などの倒産手続きに詳しい弁護士に相談しましょう。破産手続きは専門的で難しく、弁護士への依頼が必須です。

弁護士に依頼すると厳しい取り立てが止まるメリットもあるので、業績不振にお悩みであれば早めに相談して手続きを依頼しましょう。

法人(会社・事業者)破産の流れについて

STEP2 準備

破産することに決めたら、準備を進めなければなりません。破産を弁護士に依頼すると取り立てが止まるので、その間に資料収集を進めましょう。必要となるのは以下のようなものです。

  • 会社の全部事項証明書(商業登記簿、発行後3か月以内のもの)
  • 取締役会議事録
  • 預貯金通帳の写し
  • 不動産の全部事項証明書
  • 賃貸借契約書の写し
  • 自動車登録証
  • 生命保険証書の写し、解約返戻金証明書
  • 有価証券の写し
  • 貸借対照表、損益計算書
  • 税務に関する資料(申告書の控え)

 

具体的な必要資料は個別のケースによっても異なります。弁護士から詳しい指示を受けられるので、その通りに集めていきましょう。

また経営者や当事者の方が必要書類を集めている間に弁護士が債権調査を行い、申立書や債権者一覧表、財産目録等の書類を作成して準備を進めます。

 

事業を継続中の場合、従業員への通知や会社財産の保全などの対応も必要です。難しいケースでも経験豊富な弁護士がついていれば安全に進められるので、サポートを受けながら対応していきましょう。

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STEP3 破産申立て

準備が整ったら弁護士が裁判所に書類を提出し、破産の申立を行います。経営者は特に何もする必要はありません。

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STEP4 破産手続き開始決定と破産管財人の選任

破産申立を行うと、裁判所で提出書類が審理されます。特に不備がなければ破産手続き開始決定が下され、同時に「破産管財人」が選任されます。

 

破産管財人とは、破産会社の財産を預かって管理し、換価作業を行って債権者に配当を行う人です。会社の詳しい財産状況や債権者の状況、破産に至るまでの経緯、粉飾決算の有無や財産隠しがないか調査を進めるなど、破産手続きの中で非常に重要な役割を負います。

 

破産管財人が選任されたら、申立人(経営者)は破産管財人に面談に行かねばなりません。

申立を弁護士に依頼していたら、申立代理人の弁護士も破産管財人の事務所に同行して一緒に話をします。

 

破産管財人に財産資料を始めとする必要な資料を受け渡したら、破産管財人が換価作業を開始します。その後もときどき経営者が破産管財人の事務所に呼び出されて話を聞かれたり、申立代理人を通じてさまざまな事項を照会されたりする可能性があります。

 

また破産管財人の選任後は、会社宛の郵便物は破産管財人宛に届くようになります。

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STEP5 債権者集会

破産手続きが開始されると、裁判所で定期的に「債権者集会」が開かれます。

第一回の債権者集会は、破産手続き開始決定の約1か月後に行われるのが通常です。

 

債権者集会には申立人(経営者本人)も出席しなければなりません。債権者が出席するかどうかはケースバイケースですが、金融機関や貸金業者は出席しない事例が多数です。債権者が誰も出席せずに集会が進められるケースも珍しくありません。

個人などの債権者がいると当初は熱心に出席して意見を述べたりしますが、回を重ねるにつれて出席しなくなる例が多く、テレビドラマのように債権者が大騒ぎをして荒れる事例はほとんどありません。

 

また債権者集会にも申立代理人が毎回同席し、申立人の代わりに意見を述べたり説明したりできるので安心しましょう。

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STEP6 債権者への配当

破産管財人による調査や換価の業務が終了したら、債権者への配当が行われます。

配当は破産管財人が行うので、申立人は何もしなくてもかまいません。

配当するだけの財産がなければそのまま廃止されます。

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STEP7 廃止・終結

破産手続きが廃止あるいは終結すると法人(会社・事業者)破産の手続きはすべて終了し、官報に公告され、法人(会社・事業者)の商業登記簿は閉鎖されます。法人(会社・事業者)が消滅し、負債もすべてなくなります。

 

破産手続きにおいて代表者がすべきこととは

破産手続きにおいて、経営者は以下のような対応をしましょう。

弁護士や破産管財人、裁判所の指示に従う

申立代理人として依頼する弁護士、破産管財人、裁判所の指示に従ってスムーズに対応しましょう。対応が遅くなるといつまでも申立ができなかったり手続きが進まなかったりしてリスクが発生します。

 

従業員への説明

従業員のいる会社では、従業員への配慮が必要です。スムーズに手続きを進めるためにも申立て前にしっかり説明を行い、誠実に対応すべきです。未払賃金をどのようにすべきかについては弁護士と相談して決めましょう。

 

財産隠しをしてはならない

破産すると財産が失われるので、隠そうとする経営者がいます。しかしそのようなことをすると破産手続きが進みにくくなり失敗のリスクも高まるので絶対にしてはなりません。

財産をどう取り扱ってよいかわからないときには弁護士に相談しましょう。

 

 

当事務所では金沢の地で長年地元企業へのサポートを続けて参りました。破産を始めとする倒産や事業再生の案件も多数取り扱ってきた実績とノウハウがあります。経営不振にお悩みの方は是非とも一度ご相談下さい。

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